ニコチンの心理的依存
ニコチンの心理的依存とは、仕事や家事などが一区切りついた時に、習慣として喫煙してしまう状態のことです。タバコを吸ってよかったという記憶や身についた癖、習慣などを心理的依存といいます。
禁煙外来
喫煙は、生活習慣病や肺がんといった重篤な病気との因果関係が指摘されています。今まで、禁煙に挑戦し失敗された方も多いと思います。健康保険で行う禁煙治療は、お一人の努力だけではなく、禁煙補助剤の使用や医師のアドバイスを受けて治療が進められますので、ご検討中の方はお問い合わせください。
※禁煙治療は3ヶ月で5回の通院プログラムとなり、禁煙成功率は約60~70%です。
ニコチン依存性を貼付剤で緩和し、喫煙から離脱できるお手伝いをする外来です。
当院では、ニコチン依存症を診断し、病気として捉えて、医療機関で禁煙治療の保険診療が実施されています。
禁煙外来では、医師によるアドバイスに加えて、禁煙補助薬の処方を受けることができます。禁煙補助薬を用いた治療では、離脱症状が緩和されるため自力で禁煙するよりも、比較的楽に禁煙することが可能になります。
35歳以上の方は、下記の1~4の条件を満たしていれば健康保険で禁煙治療を受けられます。35歳未満の方は、下記の1、3、4の条件を満たしていれば健康保険で禁煙治療を受けられます。
※条件を満たしていない項目があった場合、健康保険で治療を受けることはできません。
(治療に失敗した場合、再度保険適用になるには治療初回日から1年以上経過する必要があります。)
禁煙が難しいのは、ニコチンに対しての身体的な依存と、喫煙習慣による心理的な依存を同時に克服していかなければならないためです。
ニコチンの身体的依存は、ニコチンが脳の中枢神経系に作用することで起こると考えられています。しばらく続けてタバコを吸っていると、脳内にニコチン受容体が出現してきます。このニコチン受容体は、ニコチンを受け取り、脳内に快楽を感じるドーパミンを放出します。このときに「気分が落ち着く」「ストレスがとれた」という感覚を覚えます。これを繰り返すうちに、ニコチンがないとイライラや落ち着かないといったニコチン切れの症状(禁断症状)が現れるようになります。これがニコチンの身体的依存です。
ニコチンの心理的依存とは、仕事や家事などが一区切りついた時に、習慣として喫煙してしまう状態のことです。タバコを吸ってよかったという記憶や身についた癖、習慣などを心理的依存といいます。
禁煙はこの身体的依存(ニコチン依存)と、心理的依存(生活習慣)を克服することがポイントとなります。禁煙をスタートすると、ニコチンの離脱症状が起こるため貼付剤による禁煙補助薬によってその症状を緩和します。心理的依存の克服過程では、口寂しさや、手持ち無沙汰、あるいは喫煙してしまうのではないかという不安が生じてきます。ここでは禁煙の意思をご自身で強く持つことも大切ですが、生活習慣の見直しといったサポートを受けていただきます。このようにして2つの依存を克服していきます。
保険診療で使える禁煙補助薬にはニコチンパッチ(貼り薬)があります。これらの禁煙補助薬を用いた治療は、禁煙後のニコチンの離脱症状が緩和され、自力で禁煙するよりも比較的楽に禁煙することができます。ニコチンパッチはニコチンを含む貼り薬で、禁煙により体が要求するニコチンを皮膚からゆっくりと吸収させ、補充します。補充量を徐々に少なくしていき、最終的に補充が必要ない状態に持って行きます。
タバコは肺がんや喉頭がんをはじめ、様々ながんのリスク要因であり、呼吸器の病気や心臓病などとも関連が強いことがわかっています。禁煙することで、これらの病気にかかるリスクが確実に減少するといえます。
喫煙状況やニコチン依存度、禁煙の関心度などをチェックし、呼気中一酸化炭素濃度などを検査します。その後、病状に合わせて治療方法をご説明します。
詳細に診断を行った上で禁煙開始日などを決定し、禁煙補助薬を処方します。
定期的(およそ2週間~4週間おき)に来院し、禁断症状の確認や対処法などをカウンセリングしながら、治療を進めていきます。
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