
呼吸器内科
呼吸器内科
呼吸器内科で診療する病気は幅広く、一般的な風邪などの感染症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、肺炎や肺がんなど多岐にわたります。
さらに睡眠時無呼吸症候群や禁煙のサポートも行っています。そのため症状も幅広く、咳や痰はもちろん、呼吸困難、胸痛や全身の倦怠感など様々な体調不良が診療の対象となります。
呼吸器疾患の初期症状は、風邪と変わらないことが多いですが、その背景には喘息や肺炎など、重篤な病気が潜んでいることもあります。咳、痰や発熱などが続く場合は、自己判断をせず、呼吸器内科の受診をお勧めします。
呼吸器の病気に関して専門的な診療を行っております。
このような症状やお悩みがある方はご相談ください。
日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。気になる時は、相談ください。
呼吸機能検査、モストグラフ、呼吸NO検査やレントゲン検査で診断します。
気管支喘息は10~20人に1人は認められ、成人喘息は中高年に発症(初発)することが多い病気です。
治療は主に、吸入治療を行います。夜間や早朝の咳や喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)を伴う呼吸困難などの症状が多く認められます。
気管支喘息の原因は喫煙や大気汚染などの非アレルギー性のもの、ダニやハウスダストなどのアレルギー性のものに大きく分類されます。
原因
原因と悪化要因
なお、遺伝的素因もあり、両親が喘息の時は喘息発症の頻度は3倍以上となります。
症状
症状を繰り返すことが重要です。
診断と検査
【問診】
早朝や夜間に咳が強く、喘鳴を伴うことや症状が気管支拡張剤で一時的に改善することが特徴です。また、薬物(アスピリン喘息)や運動後に悪化しないか、ペット、食物や職業(粉塵)など暴露を確認することも重要です。
【検査】
呼吸機能検査(スパイロメーター)
大きく息を吸ってから一気に息を吐きだす検査です。肺活量(肺の大きさ)や気管支の狭窄の程度を評価する検査です。安全な検査です。喘息の診断や治療効果判定に有用です。
診断
聴診で呼吸音を確認します。
喀痰の色や咳の程度より必要と考えられる検査として呼吸機能検査、モストグラフやレントゲン検査を行います。
喘息が疑われるときはステロイドや気管支を拡張させる吸入薬を処方し、治療効果判定を再度の呼吸機能検査と症状の改善程度で確認します。風邪やアレルギーが合併していることも多く喘息単一の診断とならないことも多いです。
治療法
【気管支拡張剤吸入】
気管支拡張剤は、気管支を拡張させ呼吸困難を速やかに改善させます。動悸や震えの副作用がありますが、吸入を中止することで速やかに改善します。
【抗コリン薬吸入】
抗コリン薬は気管支拡張効果や気道過敏性の改善に有用で、ウイルス感染による風邪に対する症状軽減の効果もあります。
まとめ
喘息は、ステロイド吸入が治療の基本となりますが、喫煙やストレスなどで悪化することが知られています。
これら誘因を排除することが重要です。環境改善などで症状が改善したときは、治療薬の種類や量を減らします。喘息治療は、一生同じ治療とはなりません。当院ではできる限り少ない薬剤で安定したコントロールを目指します。
また、他の疾患と見分けることも重要で、気管支喘息はよく感染症後の長引く咳、咳喘息や肺気腫(COPD慢性閉塞性肺疾患)と間違えられることが多いため、しっかり診断し治療を行うことが大切です。喘鳴を伴わない咳喘息では、治療をすべて終了することもあります。
肺炎は、感染(ウイルス、細菌、カビ)、自己免疫、アレルギーなど様々な原因で発症します。
細菌性肺炎は、一般的な肺炎といわれるものの代表です。
細菌やウイルスの種類により治療が異なるため、治療には胸部CT検査やレントゲン検査などで肺炎の原因菌やウイルスの判断することが重要です。
抗原検査やPCR検査も有用ですが、抗原検査やPCR検査も完全な検査ではないため画像診断が最も有用な検査と考えます。
当院では、抗菌剤の点滴、抗菌剤の内服で治療が可能なことが多いです。
抗菌剤治療が無効な時や改善と増悪を繰り返すときは、
間質性肺疾患(間質性肺炎)など特殊な疾患の鑑別が必要となります。
一般に間質性肺炎と言われる疾患です。
炎症を放置すると肺が線維化し硬化することで呼吸困難や乾いた咳が慢性的に継続することになります。
01間質性肺炎
特発性肺線維症、器質化肺炎など種類が多く存在します。
診断には、胸部CT検査や採血が必要です。高次医療機関で追加の検査(気管支鏡など)が必要なこともあります。
最初は、細菌性やウイルス性肺炎を疑われますが抗菌剤治療などが無効な時に間質性肺炎を疑われることが多いです。
増悪時はステロイド内服を行い、安定期には免疫抑制剤や抗線維化剤(肺を硬化させない治療)を使用します。
02薬剤性肺障害
膠原病や心臓の治療薬、漢方、サプリメントや抗がん剤などを原因とした肺障害です。
炎症を起こし放置すると肺が硬くなり呼吸が苦しい状態が慢性化してしまいます。原因薬剤を特定し内服を中止することが最も重要です。
重症時はステロイド内服や点滴が必要です。胸部CT検査で特徴的な所見もあり、内服されている薬剤の問診と検査で診断が可能です。
03過敏性肺炎
夏に多く認められる、アレルギーによる肺炎です。カビのアレルギーが原因のことが多いです。
胸部CT検査で非常に典型的な所見があるため当院では診断が容易です。発熱も多く認められます。軽症であれば、自宅や職場で暴露しているカビを避けることで改善します。ただし重症の場合はステロイド治療が必要です。
04その他
その他、膠原病に合併する肺炎、鳥やタバコの暴露による肺炎、好酸球による肺炎など多岐にわたります。
近くの病院やクリニックで肺炎と診断され改善に乏しいとき不安な時は当院でも改めて精査可能ですので受診をしてください。
最近、増加している感染症です。やせ型の女性に特に多く認められます。
これら抗酸菌症は結核の仲間ですが、人には伝染しません。
一方で、内服治療はやや効果が低く完治が難しい疾患です。
この疾患は、他の真菌(カビ)や細菌による炎症も合併しやすく、この新たな感染が肺を荒廃させて慢性的に呼吸が苦しい状態にさせてしまいます。これらの進行をさせないためには、定期的に胸部レントゲン検査や採血を行う必要があります。レントゲンや採血で炎症の進行が認められるときは、非結核性抗酸菌症、真菌(カビ)、一般細菌いずれかが原因かをしっかり判断し、それぞれの治療を行うことが重要となります。
定期的に1~3ヶ月毎のレントゲンと年1回の胸部CT検査を行うことで、重症化を防いでいます。
治療
非結核性抗酸菌症の治療は、3種類(約10個)の内服を2~3年程度継続します。副作用の確認を目的に毎月の採血を推奨しています。
副作用には、食欲不振、視力低下、肝障害、しびれなど多岐にわたりますが内服の変更や中止で改善することがほとんどです。視力低下をきたす内服を使用するときは眼科への紹介状をお渡しし、定期的に眼科受診をしていただきます。
若年~中年の方には進行を遅らせるために診断が確定次第に内服治療をお勧めしています。一方、高齢の方は、治療薬の副作用もありますので重症度と進行速度により内服治療をするか判断します。胸部CT検査で孤発性かつ空洞があるなど重傷リスクが高い方には手術も考慮いたします。
当院では呼吸器内科専門医かつ結核・抗酸菌症指導医が在院し診療させていただいています。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、主に喫煙による肺気腫や慢性気管支炎により呼吸機能が低下した状態のことです。
長引く咳、痰や呼吸困難を症状とします。この疾患は、細い気管支が狭くなることで肺での酸素交換が上手にできなくなり、呼吸が苦しくなる病気です。
時に、肺炎や難治性の真菌症(カビ)感染、気胸など合併し急激な病状の進行や致命的な状態になることもあります。
原因
喫煙や有害物質を長期間吸入することが主な原因です。喫煙者の20%が慢性閉塞性肺疾患を発症します。有害な物質を持続的に吸入すると、細い気管支や肺が破壊され、穴だらけの肺となります。
症状
最初は、階段や坂道で呼吸が苦しくなり進行すると酸素吸入をしなくては生活ができない状態となります。慢性的に、咳や痰が認められます。肺炎も高頻度に合併します。
診断と検査
過去あるいは現在に喫煙歴があり、慢性的に咳、痰、歩行時などの呼吸困難があれば慢性閉塞性肺疾患を疑います。
治療
生活と症状の改善、運動と活動能力の改善、病気の進行の抑制、増悪予防、合併症の早期発見とその治療が目標となります。
感染による気管支炎や肺炎を合併し診断と治療を誤ると、呼吸機能はさらに低下してしまいます。感染初期の診断と治療を早期に行うことが重要です。
当院では、感染初期の抗菌薬の処方や吸入剤の増量、時にはステロイド内服などを行い肺機能の維持を行います。
平時の治療は、この閉塞した細い気管支を吸入薬や内服で広げます。
当然、禁煙も重要となりますが、さらに、食事や運動も治療として重要です。重症度や患者さんの背景にもよりますが、苦しいから運動しないというのは間違いです。積極的な治療を行います。
【用語】
*抗菌薬:一般的には抗生物質と言われる薬剤です。肺炎、腸炎、尿路感染症などを引き起こす細菌に対する治療薬です。
肺表面に穴が開き、肺がしぼむことによる呼吸困難と胸痛が主な症状です。
重症化した時は、呼吸困難で重篤な状態(緊張性気胸)になります。
若者(特にやせ型の方)、喫煙者、間質性肺炎の患者さんに多く認められます。
生まれつき肺にのう胞となる空洞があり肺が破けやすい方も存在します。
診断
初診時、聴診でも診断は可能なこともあります。確定診断には、胸部レントゲン検査と胸部CT検査が重要です。
治療
軽症の場合は経過観察をしますが、中等症以上では胸に穴をあけて管を挿入し空気を抜くことで肺を広げます。手術が必要なこともあります。
成人の場合、いびきをかく人で睡眠時に1時間に5回以上の無呼吸があり、
日中に強い眠気や集中力低下が認められると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
診断には睡眠検査を行いますが、多く見られるのは、のどが塞がって起こる閉塞型睡眠時無呼吸です。
扁桃腺が大きい、顎が小さいことや肥満が原因となります。
主な治療には、CPAP(シーパップ)という治療器械を用いる方法、
マウスピースを夜間装着する方法とのどを広げる手術があります。
この病気は、日中の眠気、熟睡感がない、頭痛や夜間の頻尿などの症状の他に、
高血圧症や心臓病や脳血管疾患を悪化させるのでできるだけ早く診断し、治療を始める必要があります。
主な症状
初診の流れ
一般的な流れを紹介します。個々の症状や事情により治療計画を作成していきますのでご安心ください。
肺がんのリスクが高い喫煙者、珪肺や間質性肺炎患者さんは、毎年1回は胸部CT検査を行っています。
早期の発見は胸部CT検査が最も有用です。私は今まで多くの早期肺がんを発見し根治治療につなげています。
喫煙者や肺疾患の既往のある方で健康診断をしばらくしていないなど、心配な方は一度ご相談ください。
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